

狂言の演目 か行

狂言 柿山伏(かきやまぶし)
kakiyamabushi
シテ 山伏
アド 柿主
出羽の国羽黒山の山伏が、大峰、葛城で修行をすませ帰国の途中で、とある道傍の柿の木にうまそうな実がなっているので、木によじのぼって食べはじめます。柿畑の持ち主がそれを見つけて、ただ咎めるのではつまらぬと、犬か猿か鳶かと見立てて、その鳴き真似をさせます。山伏は主の問いのままに頻りに真似をしますが、鳶になって高い木から飛び降りたところでしたたかに腰を打ってしまいます。興がる持ち主に大いに怒りを発した山伏は、法力を持って持ち主を祈り伏せ、彼の背中におぶさって治療に行かせようとしますが・・・。

狂言 蝸牛(かぎゅう)
kagyu
シテ 山伏
アド 太郎冠者
主人に不老長寿に効果があるという蝸牛を取ってくるように申しつかった太郎冠者ですが、太郎冠者は蝸牛を知りません。竹藪に寝ている山伏を、カタツムリと思い込み、また、山伏はだましてやろうと囃子物を踊る二人に、主人の大名もつい・・・。「でんでんむしむし 雨もふらずに」と謡いおどります。

狂言 隠狸(かくしだぬき)
kakushidanuki
シテ 太郎冠者
アド 主
主人に内緒で狸をとる、狸釣りの名人太郎冠者。市場に現われ狸釣りを白状させようとする主人に、一旦は言い逃れをしますが、酒を振舞われて・・・。

狂言 蚊相撲(かずもう)
kazumou
シテ 大名
アド 太郎冠者
アド 蚊の精
太郎冠者が連れてきた男を、蚊の精とも知らずに相撲をとる大名。正体に気づき、刺されまいと扇や大団扇であおぎますが・・・。

狂言 鎌腹(かまばら)
kamabara
シテ 太郎
アド 妻
アド 仲裁人
妻に怒られ渋々柴狩りに行く怠け者の太郎冠者は、妻に侮辱されるぐらいならと鎌で腹を切ろうとしますが気後れして死ねません。これを聞きつけた妻が現われ泣いて止めようとするうちに、再び喧嘩がはじまります。

狂言 川上(かわかみ)
kawakami
シテ 夫(盲人)
アド 妻
吉野の盲人が川上の地蔵に願をかけます。目が見えるようになる条件は、妻との別離です。その条件に二人は唖然とします。妻は絶対別れないと言い、夫が折れて折角明いた目をまたつぶすことはしまいと言いつつ帰りかけると、再び盲目となる。

狂言 狐塚(きつねづか)
kitunezuka
シテ 大名
アド 次郎冠者
アド 主
狐塚の田に群鳥を追いに行かされた太郎冠者が、見舞いに来た次郎冠者や主人を狐が化けて出たと思い、松葉を焼いて燻してしまいます。いぶされた二人は隙を見て縄を解き、仕返しをしますが・・・。

狂言 木六駄(きろくだ)
kirokuda
シテ 太郎冠者
アド 主
アド 茶屋
アド 伯父
大雪の日に、主人の叔父に届ける荷を十二頭の牛に積んで出かけた太郎冠者。峠の茶屋で届ける酒樽に手をつけて・・・。
木六駄とは、六匹の牛に積んだ薪。

狂言 茸(くさびら)
kusabira
シテ 山伏
アド 男
アド 鬼茸(おにたけ)
アド 茸達
一夜の中に、男の家に茸が生えて、取り去ってもまた生える。山伏に祈祷を頼むが、ますます増え最後には、茸達に囲まれてしまい・・・。