
YouTube「能って、知ってる?」

前シテ 里女
後シテ 三輪の神
ワキ 僧玄賓(げんぴん)
大和の国三輪山の麓に庵室を構えている玄賓僧都(げんぴんそうず)のもとに、毎日樒(しきみ)と閼伽(あか)の水を持ってくる女がいます。玄賓は素性を尋ねると、秋の夜寒をしのぐ衣を賜りたいと願い、玄賓が快く与えると、杉が立っている門を目印に来て下さいと言い残して姿を消します。
玄賓が女の言葉を頼りに三輪明神の近くまで来ると、二本の杉に先ほど与えた衣が掛っており、その裾に一首の歌が書いてあります。
すると杉の木陰から御声がして三輪明神が現われます。そして和歌の徳を讃え、神楽を奏しますが夜明けと共に消え失せます。
2021年4月1日(木)
火入れ*
舞囃子 「岩船 棹ノ型」(いわふね さおのかた) 大坪喜美雄
狂言 「清水」(しみず) 野村 万作・石田 幸雄
能 「船弁慶」(ふなべんけい) 宝生 和英
後之出留之伝(のちのでとめのでん) 間 野村 萬斎

前シテ 静御前
後シテ 平知盛
子方 源義経
ワキ 武蔵坊弁慶
ワキヅレ 従者
兄源頼朝と不和になり追討軍を差し向けられた義経は、弁慶と従者と共に都落ちを決意し、摂津の国大物の浦(だいもつがうら)に着きます。弁慶は一行の中に静御前が加わっているので、都に帰すよう進言します。静は泣く泣く諦め、別れの舞を舞い、一行を見送ります。義経達を乗せた船が沖合はるか進んだ頃、武庫山から黒雲が出たかと思うと波は荒たち、その中から平家の一類が浮かび上がります。中にも平知盛の幽霊は船に近づき義経を海に沈めようとしますが、義経は少しも騒がず応戦し、弁慶も数珠を押し揉んで調伏すると、知盛の霊も少し恐れて遠ざかる所を、船子が力を合わせて漕ぎ急ぎ、危うく虎口を脱するのでした。
2021年4月2日(金)
火入れ*
舞囃子 「鞍馬天狗」(くらまてんぐ) 梅若 紀彰
狂言 「呼声」(よびこえ) 野村 萬斎 ・野村 裕基
能 「大般若」(だいはんにゃ) 前シテ 梅若 実
後シテ 観世 喜正
前シテ 怪男
後シテ 深沙大王
ツレ 飛天・龍神
ワキ 三蔵法師
アイ 大王の眷属
「西遊記」を題材にした、躍動感にあふれた一曲。
大般若経を求めて、天竺を目指している三蔵法師は、流沙(りゅうさ)河で一人の男に出会います。男は三蔵法師に旅の理由を問います。男は前世で、この地に住む深沙大王により七回落命したことを語り、八回目の今回は経を与えようと語り姿を消します。
この男こそ深沙大王で、その後飛天・龍王を従えて深沙大王が現れ、大般若経を三蔵法師に与え、行く末を見守るのでした。