

YouTube「能って、知ってる?」
第29回夜桜能番組
2022年4月4日(月)
火入れ
舞囃子 「小袖曽我」(こそでそが) 田崎 甫・辰巳 和磨
狂言 「文相撲」(ふずもう) 野村 萬斎・石田 幸雄
能 「羽衣 盤渉」(はごろも ばんしき) 田崎 隆三
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シテ 天女
ワキ 漁師 白竜
三保の松原の朝ぼらけ、漁師の白竜(はくりょう)が浜辺に出てみると、近くの松に見慣れぬ衣がかかっているので、家の宝にしようと取って帰ろうとします。その時、何処からともなく美しい乙女が現われ、それは天の羽衣といって人間に与えるものではないので、返して欲しいと頼みます。白竜は返すかわりに天人の舞樂を所望します。やがて天人は羽衣を身につけ、この世ならぬ舞を舞い続けながら、霞にまぎれるように昇天してしまいます。
2022年4月5日(火)
火入れ*
舞囃子 「田村」(たむら) 大坪喜美雄
狂言 「清水座頭」(きよみずざとう) 野村 万作・野村 萬斎
能 「高砂」(たかさご) 宝生 和英
作物出(つくりもので)

前シテ 尉
後シテ 住吉明神
ワキ 神主友成
ワキヅレ 従者
兄九州肥後国阿蘇宮の神主友成は、都に上る途中播州(兵庫県)高砂の浦に見物に立ちよります。たそがれ近い浜辺に、尾上寺の鐘の音が響き、そんな景色のなか老夫婦が現われます。友成が高砂の松の由来を尋ねると、老翁は高砂住江の松を「相生」と呼ぶ由来を語り、二人は相生の松の精であると明かして、沖の彼方に消えてしまいます。友成は、高砂の浦を出帆し住江の岸に到着します。天中高く月が澄み渡る夜更け、波間から住吉明神が出現し、国土安穏、寿福千年を祝い、舞を舞います。
2022年4月6日(水)
火入れ*
舞囃子 「難波」(なにわ) 山崎 正道
狂言 「樋の酒」(ひのさけ) 野村 萬 ・野村 万蔵
能 「土蜘蛛」(つちぐも) 梅若 実
(入違之・白頭)

前シテ 怪僧
後シテ 土蜘蛛の精
ツレ 土蜘蛛の精の眷属
ツレ 土蜘蛛の精の眷属
ツレ 胡蝶
ツレ 従者
ツレ 頼光
アイ 下人
「武勇の誉れ高い源頼光(らいこう)は、原因不明の熱病に冒され、病臥しています。侍女の小蝶が薬餌療法に手を尽くせばきっと治ると慰めますが、頼光は今は死期を待つばかりだと嘆きます。その夜更け、頼光がまどろんでいると、怪しい僧形の者が現われ多くの蜘蛛の糸を頼光に投げかけて、散々に苦しめます。頼光は屈せず傍らの名刀膝丸を抜き、二太刀、三太刀浴びせて、化生の者を追い払います。物音を聞きつけ一人武者達は、血の後をたどり土蜘の古塚を突き止めます。土蜘は千筋の糸を武者達に繰りかけますが、最後には首を討たれて退治されます。